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貧血の原因は鉄不足以外にもある!鉄分不足以外の貧血の原因を解説

貧血と聞くと鉄分不足というイメージが強いかもしれません。しかし、実は貧血には鉄分不足以外にも様々な原因が考えられます。また、鉄不足だとしても、鉄分摂取量が少ないこと以外に原因が考えられます。

貧血だからといって安易に鉄剤を摂取するのは推奨されません。過剰に鉄を摂取することで、身体に有毒に働くことがあります。

貧血になっている根本的な原因にアプローチすることで、本当の意味で貧血を改善することができます。

それでは貧血にはどのような原因が考えられるのでしょうか。原因別に対策を述べていきます。

貧血のセルフチェック

まずは自分が貧血なのかどうかをチェックしてみましょう。貧血になると、次のような症状が現れます。

□めまいがする □立ちくらみがする □頭が痛くなる □耳鳴りがする □息切れしやすい □動悸が激しい □倦怠感がある □疲れやすくなった □集中力が低下する □朝すっきりと起きれない □顔色が悪い □爪がもろくなる

この中で2つ以上当てはまっていたら、貧血の可能性があります。

赤血球の成り立ちと貧血の原因

貧血は、体内で酸素を運ぶ赤血球に異常が生じることで、うまく酸素を運べなくなることで起こってしまいます。

そのため、赤血球の成り立ちを知ることで、どうして貧血が生じるのかを理解することができます。赤血球の成り立ちを図にしました。

赤血球は、造血幹細胞から分裂して作られています。細胞が分裂する過程で、ビタミンAやビタミンD、亜鉛などが必要になります。

造血幹細胞から赤血球へ分化する際、途中で核を捨てます(脱核)。この過程でビタミンB12や葉酸が必要となります。

後述しますが、ビタミンB12や葉酸が不足すると脱核がうまくいかず、赤血球が大きくなりすぎる巨赤芽球性貧血になります。

赤血球は細胞膜に覆われています。赤血球は活性酸素により壊されやすい性質があります。活性酸素から細胞膜を守るために、ビタミンEが細胞膜の中に埋め込まれています。そのため、ビタミンEが不足することで、赤血球が壊れてしまう溶血性貧血に陥る可能性があります。

赤血球の中には、ヘモグロビンというたんぱく質がたくさん含まれていて、ヘモグロビンの中には鉄原子が含まれています。鉄原子に酸素が4分子結合することで、全身に酸素を運んでいます。

そのため、ご存知の通り鉄分が不足すると貧血になります。また、ヘモグロビンはたんぱく質から作られているので、たんぱく質が不足することでも貧血に陥ります。

貧血の種類と原因

赤血球が作られる過程から、貧血の原因について少し述べてきましたが、ここでもう一度まとめようと思います。

1, 鉄欠乏性貧血    鉄不足 2, 巨赤芽球性貧血   ビタミンB12, 葉酸不足 3, 溶血性貧血     ビタミンE不足

この他にも再生不良性貧血や腎性貧血といった貧血もありますが、栄養不足により起こる貧血は上の3つがメジャーです。

そして、1, 鉄欠乏性貧血について、鉄分が不足する原因としては様々なことが考えられます。

ここからは鉄分が不足する原因についてお話していこうと思います。

鉄不足が生じる原因

体内で鉄不足が生じる原因としては、次のようなことが考えられます。

1, 成長期 2, 月経過多 3, 摂取不足 4, 吸収障害 5, 炎症

成長期の子供の場合、成長に伴い鉄分の需要が増加します。そのため、成長に見合った量の鉄分を摂取する必要があります。

有経女性の場合、月経が多いことで、鉄分が多く失われてしまうので、鉄分をしっかり摂取しておく必要があります。

単純に鉄分の摂取量が不足していると、当然体内でも鉄分が不足してしまいます。

問題なのは、鉄分をしっかり摂取しているにも関わらず、体内で鉄分が不足しているという場合です。この場合は、鉄分の消化吸収に問題があると考えられます。

例えば体内で慢性的に炎症が起こっていると、肝臓でヘプシジンというたんぱく質が作られ、小腸からの鉄の吸収を阻害したり、鉄の再利用が阻害され貧血に陥ってしまいます。

また体内に重金属が蓄積している場合、重金属により鉄分の吸収が阻害されてしまいます。カンジダ菌に感染している場合も、カンジダ菌に鉄分を奪われてしまうため、体内で鉄欠乏が起こります。

胃酸が分泌されることで鉄分は吸収されやすい形になるので、胃酸分泌が少ないことによっても鉄分の消化吸収が阻害されてしまいます。

こうしたことから、鉄分が不足している場合、単純に鉄剤を摂取するのではなく、どうして鉄分が不足しているのかを考え、根本原因にアプローチしていかなければ、鉄分不足を改善することができません。

鉄剤による悪影響

鉄の消化吸収に問題があると鉄を多く摂取しても、体内に鉄を取り込むことができません。そのため、鉄剤を摂取しても効果が見込めません。

それだけでなく、鉄を大量に摂取することで、悪影響を及ぼすこともあります。

鉄は多量に摂取してしまうと活性酸素を発生させてしまいます。活性酸素はDNAやたんぱく質を壊す働きがあるため、体内で有毒な物質です。

例えば鉄不足になっている原因が胃酸分泌不足だった場合、どれだけ鉄を摂取しても吸収効率が悪いので、体内の鉄分がなかなか増加しません。この場合、鉄剤を摂取するのではなく、鉄の吸収効率を高めることから始める必要があります。

カンジダ菌に感染している場合は鉄を摂取しても、カンジダ菌に鉄を取られてしまうので、まずはカンジダ菌を除去することから始めないといけません。

また、ビタミンB12不足などによる巨赤芽球性貧血の場合、鉄分は足りている可能性があるので、そこで鉄を摂取しても貧血は改善されません。

貧血の栄養アプローチ

貧血と聞くと鉄不足というイメージが強いかもしれませんが、ここまで紹介してきたように貧血には色々な種類があり、貧血の原因は多岐に渡ります。

貧血に対する栄養アプローチとして有効なものをまとめます。

1, 鉄分をしっかり摂取する 2, 鉄分の吸収効率を高める 3, 胃酸の働きを助ける

まずは、食事からしっかり鉄分を摂取することです。鉄分はご存知の通りレバーに多く含まれています。その他にも赤身のお肉や貝類に多く含まれているので、これらの食品を意識的に摂取したいです。

またほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜にも鉄分が含まれています。しかし植物に含まれている鉄分は「非ヘム鉄」と言って、吸収効率が悪いです。

非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂取すると吸収効率が上がるので、ビタミンCも一緒に摂取しておきたいです。

また、鉄を吸収する過程で胃酸の分泌が必要になります。胃の中は強い酸性環境にあるので、レモンやお酢など酸っぱいものと一緒に食べることで、胃酸の働きを助けて、鉄分の吸収効率を高めることができます。

また、コーヒーのカフェインや緑茶のタンニンなどは、鉄分の吸収を阻害するため、鉄分を摂取する際にはこれらは控えておくのが望ましいです。

食事で貧血は改善する

この記事では、貧血の原因や改善のための栄養アプローチについて紹介してきました。

貧血というと鉄不足というイメージが強いかもしれませんが、貧血に陥るのには鉄不足以外にも様々な原因があります。

鉄は過剰に摂取してしまうと、活性酸素を生み出してしまいます。そのため、貧血気味だからとりあえず鉄剤を飲む、というのは控えた方がよいです。根本原因に栄養面からアプローチすることで、貧血を改善することができます。

今栄養カウンセリングも実施しています。貧血や栄養面が気になる方は、カウンセリングで今の栄養の悩みを解決し、試合で最高の結果を出すサポートを行わせていただきます。

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